MH.net北大法科大学院紹介建設日:2004/04/13更新日:2004/10/06■ 第2回リポート▼ 履修カリキュラム概説緒言今回は北大法科大学院の履修カリキュラムについてリポートします。まず,公式サイトのカリキュラムにはイメージ図,履修モデル,時間割等,詳細に説明が設けてありますので,実際に北大法科大学院に入学を考えている方はそちらをご覧ください。 ここでは,公式サイトを覗いて全てを読むほどの労力をかけたくない人のためにカリキュラムの概説をします。 実際に入学を考えている人のため向けの,公式サイトからはわからない(又は公式サイトでは誤っている)情報については次回リポートで書きます。 学年・年次カリキュラムは2年コース(既習)か3年コース(未習)かによって,それほどかわりません。3年コースの最初の1年を除けば,2年コースの1年次が3年コースの2年次に対応し,2年コースの2年次が3年コースの3年次に対応します。
卒業単位・キャップ制(4/15追加,10/6修正)卒業に必要な単位は3年コースが96単位,2年コースが66単位です。 早めにたくさん履修して,卒業前年で楽をしようということを防ぐため,キャップ制が導入されています。1年間に履修できる(履修登録できる)単位は36単位までで,卒業前年(最終学年)のみ44単位履修できます※。 注意しなければいけないのは,履修登録できる単位が通常年(2年コースの1年次,3年コースの1年次と2年次)で36単位までだということです。前期で落としても,後期で拾えません。あくまでも,年間で履修登録できるのが36単位です。 よって,前期の時点で留年が確定する場合(通常年で前期に9単位以上落としたとき,など)もあるでしょう。
なお,このキャップ制の問題点については第3回リポート「忌まわしきキャップ制」を参照してください。 科目開講科目は大きく分けて5群あります。
未習1年1年次(3年コースの1年目)では基礎プログラムを履修します。ここでは春夏秋冬の4学期制になっており,大雑把に,
となっています。各学期間に定期試験があるので,春学期と秋学期の試験は非常に厳しいスケジュールです。夏学期試験は9月上旬,冬学期試験は2月上旬です。 基礎プログラムでは基本7法を17科目32単位履修します。28単位以上が2年次進級への要件であり,履修上限は36単位ですので,4単位だけ基礎プログラム以外の単位(ただし,学際プログラムと知的財産法のみ)も履修できます。 未習2年・既習1年3年コース2年次と2年コース1年次では主に深化プログラムを履修します。ここでは一部の例外を除いて前後期の2学期制です。定期試験は前期試験は9月上旬,後期試験は2月上旬です。 深化プログラムでは基本7法の事例問題研究を2年次には12科目24単位履修します。56単位以上が3年コース3年次進級への要件,28単位以上が2年コース2年次進級への要件です。履修上限は36単位ですので,深化プログラムを全て履修すると,残りは12単位だけです。 未習3年・既習2年最終年(3年コース3年次と2年コース2年次)では残りの単位を履修します。3年コースで最低単位しか取っていないと残り40単位, 上限まで取ってあると残り24単位です。2年コースでは最低単位しか取っていないと残り38単位,上限まで取ってあると残り30単位です。 深化プログラムが2科目4単位残っていますし,法実務基礎プログラムの必修が6単位あります。これらの10単位以外は自由に取れます。前年の深化プログラムを落としていると,それらを拾うことになってハードです。 結語恐らくどこの法科大学院でも(程度の差はあっても)同じだと思いますが,最終学年以外は選択肢は非常に狭いです。多彩な科目を開講していても,それが活きるのは最終学年だけのようです。 そして,これもどこの法科大学院でも同じだと思いますが,最終学年では応用法学ばかりで司法試験7法の科目が極端に減ります。これで受験対策は大丈夫なのでしょうか。法科大学院生の誰もが同じ不安を持っていることでしょう。 一部の法科大学院では最終学年でも大学がきめ細かい受験指導をしてくれるでしょうし,一部では学生たちが自主ゼミを開いたりして共助するでしょうし,また一部は予備校に流れるのでしょう。 結局,受験対策は自分で勉強方法を決めて独習するしかない,というのが結論なのかもしれません。 |
Copyright (C) 2004 MH.net